まぬけさいぼう

それが 鈍足エスパーの おそろしさ!

【前編】ポケモン工芸展に行って饒舌になるオタク

きたぞポケモン工芸展!

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前日の夜にふと思い立ち、まともな準備を何もしないまま決行した日帰り弾丸金沢旅行。ポケモンじゃなかったらこんなにフッ軽になれなかった気がする。ありがとうポケモン

タイトルにある通り、この記事は2023年3月21日から6月11日まで金沢の国立工芸館で開催されているポケモン×工芸展の感想を記したものになります。

ポケモン×工芸展―美とわざの大発見― 特設ウェブサイト

私が行ったのは6月9日(金)、終了前々日。終了間際ということもあり平日とはいえそれなりに人もいました。学生から親子連れ、お年を召したご夫婦まで、さすがはポケモンといった感じの客層の幅広さ。早速チケットを購入し、いざ!

 

ポケモン工芸展の世界へ レッツ ゴー!

 

誘導に従い白い壁の廊下を進むと、

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いる!

ポスターでめっちゃ見たサンダースだ!白い廊下の突き当たりに黒をバックにギラギラ光るサンダースが遠目に見えた瞬間の感動たるや!

さらに!!

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みんないる!!

イーブイもふもふ!?これ銅なんだよね!?

シャワーズ、鱗〜〜!!

ブースターでっか!!!写真じゃわからないけど思ってた1.5倍はあるよ!

でもやっぱ一番嬉しいのはサンダースのトゲトゲだなあ。私の中でなぜかサンダース=ミサイルばりの印象があって。この鋭さ、とても痛そうで素晴らしい!

あと照明について。ポーズのせいかシャワーズだけ頭部に光が集中しており、対照的に胴に当たる光が柔らかく、波打つような体のしなやかさが際立っているように見えますね。

この子たち、普通に立って見ると目に光が灯ってないように見えてちょっと怖いけど、目線を合わせるように少し屈んであげると目にハイライトが入って「生」が実感できます!おすすめ!

(吉田泰一郎『サンダース』『シャワーズ』『イーブイ』『ブースター』)

 

言い忘れてましたが、この工芸展はほぼ全ての作品が「写真撮影OK」です!一応

・動画はダメ

・フラッシュONの撮影はダメ

・身を乗り出したり、危険な撮影はダメ

といったルールはありますが、それを守れば結構自由に写真が撮れます!

 

次!

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以下隣でこの作品を見ていた親子連れの会話

子「レックウザだ!」

父「『超古代ポケモン』だって。他に何がいるかな?」

子「シャチみたいなの!」

母「カイオーガだね!あとは…。」

子「グラードン!」

幸せ空間か??私にもこんな家族がほしい〜。(やっぱりレックウザは今アニポケにも出てるし子どもの認知度高いのかな?)

この作者さんのもう一つの作品にも模様の中に様々なポケモンが隠れており、自分で発見する楽しさもさることながら、見知らぬ人が発見して楽しんでるのを見る楽しさなんかが味わえます。老若男女みんなに広く愛されるポケモンだからこそ味わえる感覚。

(葉山有樹『超古代ポケモン玉盌』)

 

次!

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こちらの作者さんの作品、ホウオウがかなり人気でTwitterでもよく見かけたんですが、私はこのアリアドスに惚れてしまいまして。アリアドスの色、木の質感とあまりにマッチしすぎてないか??今まで毒毒しいって思ってた見た目が木の柔らかさとこんなに親和性が高いとは思わなんだ。さらに畳に乗っかってるんですよ!これは「実在」です。#ポケモンと生活Twitterにこの作品投稿するべき。いっぱいいいねする。

(福田亨『Floor』)

 

次!

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これは「羽化」か、はたまた「進化」か。

進化っていうと体が光って形が変わって…って印象なのでこれはもう羽化です。トランセルの体からほぼ出かかった状態を切り取る、これトランセルだったものはどうなるんだろう。なんかヌケニンならぬヌケトランセルみたいなのが誕生しそう。(ちなみに隣にはスピアーバージョンも展示されてる。)

あとこの作品、がとてもよい。緑っぽく描写されがちな部分が青に近くてすごくクリアな印象。

(満田晴穂『自在トランセルバタフリー』)

 

次!

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完全に蟹。そういえば君茹で上がった色してるね。暑くない?

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キングラー作者によるアーボック。やっぱ正面から撮影したくなるよね!って思ってこの角度から撮りましたが、横から見た時の胴の太さがたまらなかったです。めっちゃ掴みたくなる。

(今井完眞『キングラー』『アーボック』)

 

ここまでが1.すがたというテーマの展示でした。この先は順路が定められてるわけではなく、気になったものを自分のタイミングで見に行けるそう。つまり、

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ここまでがチュートリアルだったというわけですね。SVにも劣らない濃密なチュートリアルだ。

とはいえある程度の誘導はあります。館内はそれなりに混んでおり、ある程度人の流れもできているので流れに沿って進んでみましょう。

 

目指すは次の展示!早速向かってみようと歩き出した途端に目に飛び込んできたのが、

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なんだこれは!

モンスターボールを持った、少年…?なんか近未来的な装備してる…。

パルスマン…?!?!

ここまで思い付くとなんか理解できる気がする。この作品の作者さんはゲームを起動する=ゲーム機の中に入ることをこういう風に認識してるんだ!そして右手のモンスターボール。ゲームの中ではいつもポケモンが君の側に。魂がここがいいと叫ぶ。

実際のところどれだけパルスマンが意識されてるのかはわからないけど、そう見えてもいいように作られてるでしょこの作品!そんなアプローチもできるのかポケモン工芸展!

(こんな感想を出力しておいてアレなんですけど、実は私パルスマン未プレイでして…。今ならSwitchでもできるし積みゲー消化したらやろうと思ってますので許して…。)

(林茂樹『月光 Pokémon Edition』)

 

さて、この作品の奥には何やら暗くて怪しい部屋が。

覗いてみると…

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いや写真撮るの下手すぎるだろ!

(この部屋あまりに暗かったもんでうちのスマホが気を利かせて自動でシャッターONにしてしまいまして、「うわあああシャッターつけないで!!」と大焦りでカメラ弄って撮り直したらこんな写真になってました。自動シャッター気をつけよう!)

 

写真だとこぢんまりした感じになってますが、5×5mくらいの面積の狭く真っ暗な空間に体感2mほどもある立体物が聳え立ってるの、かなりの威圧感。吸い込まれるような黒。ブラックホール的質量。これは闇堕ちした「なゆたのけしき」?!

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改めてみると別に似てない。

これ、何かというと技「かげうち」をイメージした作品なのだそう。「かげうち」っていうと先制技だしなんかもっと軽くて素早い印象があったのですが、この作品には恐怖で動けない相手に背後から強烈な一撃を加えるような印象(「かなしばり」や「ふいうち」?「かげふみ」かも)もあって、技の解釈の幅が広がりますね。

ちなみにこの作品のタイトル「無題」らしいです。ポケモン工芸展の文脈で見たからこんなことを感じましたが、これがゼルダ工芸展だったら「極限まで抽象化されたシーカー族概念」とかになってるかもしれない。ブレワイのではなくそれこそ暗殺とかやってるタイプのシーカー。(妄言)

(田中信行『無題』)

 

今紹介した2作品、実は順路に従って進むと冒頭に紹介したブイズアートよりも先に目につくようになってるんです。一見するとポケモン的じゃないので初めは「常設展示かな?」と思ってスルーしてしまうのですが、チュートリアルを経てポケモン工芸展の世界をちゃんと認識できればこの2作もポケモンの作品に見えてきます。作品配置が美しい…。(それでも結構スルーされがちな印象だったのでちょっと勿体無いなーとも思ったり。)

 

続いて2.ものがたりの展示ですが、そこに向かう途中で私達の目の前に現れたのが、

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これ、すごくないですか?

多分「かげうち」をスルーしてしまった人にはこれが何だかわからないと思うんです。でも「かげうち」を味わった人なら直感的に「こおりタイプの技だ!」ってなるんですよ。配置の妙、再び。

これは「つららおとし」を作品に落とし込んだものだそうです。技が決まった後にフィールドに残されたつららに思いを馳せよう。「ステルスロック」のように盤面に残るわけじゃないけどそこには確かに実在するはず。ゲームじゃ描写されないけどアニポケならこのつららを使ったバトル描写とかありそうですね。

この作品で私が一番感動したの、部屋全体の空気感なんですよね。部屋の後ろの閉ざされたカーテンから漏れる青白い光も含めて部屋全体がひんやりとしているような印象を受け、冷房の温度がここだけ低いとかそういうわけじゃないのに氷の冷たさを肌で感じるというか。写真じゃ伝わらないのがもどかしい〜〜。

(新實広記『Vessel -TSURARA-』)

 

次はようやく2.ものがたりの部屋!といきたいところですがあまりに長すぎる!書くのも読むのも疲れるわ!ということで次回に続きます。よろしければお付き合いください。

後編はこちら!

【後編】ポケモン工芸展に行って饒舌になるオタク - まぬけさいぼう

 

6月11日アップデート内容

・後編のリンクを追加しました。

・作者名、作品タイトルを追加しました。